10月授業づくり講座報告

By | 2016年11月27日
10月授業づくり講座報告
  ~成増・和光・朝霞フィールドワーク~  *14名参加
 
中條克俊さん(講師)からのメッセージ
 2016年10月1日、1時から歩き始めていたのに懇親会の場所にたどり着いたときは世の中真っ
暗になっていました。私にとって、三回目のガイド役としてのフィールドワーク参加でした。
社会科教員としての私は歴史教育者協議会に育てられました。その私のせめてもの恩返しのつ
もりで、社会科教育の「生命線」ともいうべきフィールドワークのガイド役を引き受けました。
一、二回目は生まれ育った新宿を、そして今回は第二の故郷となった朝霞・和光を中心にチャ
ッチャッカとみなさんと歩き回ることにしました。歩く速度は金子真先生の教え通りに、(気
が)早く(スピードが)速くです。参加されたKさんからは「今回は坂あり、歩道橋ありのコ
ースでした。万歩計は1万5000歩でした」とうかがいました。みなさん、あきれたことでしょう。
 今回もフィールドワークのおもしろさを知っていただけたでしょうか。皆さんの感想を読ま
せていただき、少しはお役に立てたのかなと思いました。
   *詳しい内容は、追って『歴史地理教育』に執筆して頂きます。
 
参加者の感想
*一日歩いた地域だけで、古代から江戸、明治、大正、昭和・・と様々な時代の歴史に触れま
した。中條先生や清水かつらの研究をしていた地域の方のように地域の歴史を掘り起こす方が
いらっしゃるか らだと思います。たくさんの資料を準備してくださり、感謝しています。ま
た、朝鮮半島と日本のつながりの 深さを改めて感じました。実行委員の方が、南栄神社の蜘
蛛の巣までとってくれました。FW中もずっと、細かなことに気配りをしてくださってありがと
うございました。
*中條克俊先生の明快な説明で頭の中が整理されて,現在,調べている陸軍所沢飛行場・ 米
軍所沢基地・米軍所沢基地返還運動の解決方法に見通しを持つことができました。成 増では
中條先生の「ここにも特攻がありました。B29に対する特攻です」という話から,所沢 基地
がなぜ成増基地の隷下になったのかが分かりました。成増が,帝都防衛の第一線の 戦隊をも
つ基地だったからです。所沢飛行場の所沢整備学校は敗戦間際,教材用にして いた戦闘機に
機銃を取り付け,機銃弾を詰めて一つの戦隊を組んだそうです。敵機がくる と,成増から指
令が入ると迎撃に飛びたちました。
*キャンプ・ドレイク跡地。返還されて40年近くなるそうですが跡地はジャングル化。 でも
フェンスの奥を覗くと錆びた英語表記の看板などが放置してあります。国家公務員 宿舎建設
予定があった際に行われた土壌調査では鉛やダイオキシンも検出されたとのこ と。基地返還
の際、原状回復の義務がない不平等な日米地位協定の構図を間近に見るこ とで、沖縄の構図
が私たちが暮らす地域の身近にあることを確かに感じました。帰りの 電車の中で頂いた資料
を拝読。中條さんは地域の方々からの聞き取りはもちろん敗戦直 後から米軍占領時代の朝霞、
独立回復後から基地返還までの朝霞を知るために、地域の 図書館で「埼玉新聞」「埼玉タイ
ムス」のマイクロフィルムと縮刷版を読み込んだ経験 も書かれていました。こんな風に地域
を調べる手法もあるのかと学びました。「すべて の学習は平和を目指すためのもの」という
中條さんの信念に共感します。
 *中條先生が「朝霞の森で、現在と過去の対話(E・H・カー)を試みて」とおっしゃる通り、
朝 霞は、基地の街だったところから、地域の方々と朝霞市が共同で基地跡地に「朝霞の森」
を完成させた、まさに過去と現在を知り、そして未来に向けて私たちが何をすべきかと真剣に
考えさせられる場所でした。
  さらに、朝霞は「音楽の街」と私は勝手に名付けています。私が大好きな歌声の本田美奈
子、「靴が鳴る」の作詞家・清水かつら、早稲田の大先輩の児童文学者・大石真、ほか多才な
方々の生まれ育った街。そして、ジャズ。フィールドワークの終わりに、進駐軍ジャズのお店
で現存する最古の「ジャズ喫茶・海」に行き、ライブを堪能し、マスターにお話も聞きました。
かつては、米兵で賑わい、喧嘩や犯罪も日常茶飯事であった様子や、先代マスターとジャズを
愛する人々によって、ここまで続いてきたこと…。ここにも「現在と過去の対話」がある!と
私はしみじみ思ったのでした。
 
実行委員の感想
 本講座のフィールドワークを3回も担当してくださった中條先生、本当にありがとうござい
ました!朝霞駐屯地の見学では、実際に自衛隊の方が着用している服や備品、乗っている戦車
などを見学することができたり、自衛隊の方と話をしたりととても勉強になりました。また、
安保法による自衛隊の権限が拡大されたことを考えると、そこの広場で楽しそうに遊ぶ小さな
子どもたちの姿をみて、複雑な気持ちにもなりました。改めて社会科教員として、平和学習や
憲法9条について学ぶ意義や重要性を感じました。
毎年のフィールドワークに参加して思うことは、時間がかかっても、昔から住む方のリアルな
体験談や話を聞くこと、自分の足で歩いて何かを発見することや検証することが大切なんだと
いうことです。偉そうなことを言っていますが、中條先生のような、子どもたちのために努力
を惜しまない教員になれるよう、頑張りたいと思いました。