2018年6月号『米騒動・シベリア「出兵」100年』の読みどころ

By | 2018年5月15日

   「明治150年」とされる今年2018年は、また米騒動とシベリア「出兵」から100年にも
あたります。
シベリア「出兵」は、富山県魚津町を発端に米騒動を誘発し、米騒動は3府38県に広が
り、寺内内閣の打倒につながる日本近代史上最大の民衆運動に発展しました。「内に民
主主義、外に帝国主義」といわれる大正時代に発生した米騒動とシベリア「出兵」は、日
本と東アジアを結びつけ、この時代を特徴づける、重大な歴史的事件となりました。そこ
には、「明治150年」と賛美される歴史とは異なる近代日本の姿が現れています。
    6月号では、以下の論文・授業報告などで、これらを多角的に論じます。
    総論としての趙論文は、2つの事件を東アジアと日本という巨視的な視座に位置づけ、両
事件の関係を論じます。兎内論文は、謎の多いシベリア「出兵」に光を当て、研究史をふ
まえてこの事件を問い直す視点を提起します。能川論文では、米騒動研究の軌跡をたどり
つつ、広く社会運動史の視点から米騒動の再検討を提示します。
    小林報告は、新潟市の米騒動を中学生が主体的に学んだ授業実践を、中尾報告は米騒動を
含む名古屋の都市運動を、高校生が資料を読み解き理解する授業実践を、それぞれ報告し
ています。金野氏のコラム原稿は、シベリアの大地で日本軍兵士への反戦活動を展開した
佐藤三千夫の足跡を追究し、その意義を検証しています。
 今回の特集は、歴史研究と歴史教育の両面から、100年前の米騒動とシベリア「出兵」
を学び直す機会を提示しています。是非、お読みください。