社会科授業づくり5月講座の報告

By | 2018年6月6日

1.講師  斎藤英樹さん
2.テーマ ①過労死裁判を起こした遺族と中学生の交流
     ②大学生のブラックバイトについての授業
3.参加者数と校種 12名(小学校2名 中学校6名 高校2名 特別支援学校2名)
4.参加者の感想
・問題のあることについて、「見過ごしてしまう」「我慢してしまう」ことが続いていくと、
人は「このぐらい我慢すべきだ」と正当化してしまう危険性があると感じました。また、
一人で訴訟を起こした人たちのことを伝えることは、その人の行動に助けられる人たちが
沢山いることを明らかにすることにつながり、社会を変えていく力になりうると思いまし
た。現在では、国会で審議されている「働き方改革」の問題を考えることもできると思い
ました。
・斎藤先生の授業に向き合う姿勢に信念を感じ、改めて自分の授業づくりを見直すところが
あるなと感じました。社会の授業を通して、どんな生徒になってほしいか、どうしたら、
生徒の思考をより深くさせることができるのかを見失わないようにしていきたいです。
・普段の授業実践の方法や心構え、過労死の実態と内容、大学生に聞いたブラックバイトの
現状、学級経営で大切なことまで、様々な内容を教えていただき、明日からの学校を頑張
ろうと勇気が出ました。また、授業に対して、懸命に向き合い、生徒をワクワクさせる、
成長させるようにしていきたいです。生徒にこのような人になりたいと生きる糧を与える
ことも社会科の授業だと思いました。
・「理不尽=ブラック企業・部活・バイト」につながっているというのが印象に残りました。
嫌なことを嫌だと言えない、耐えるしかないという雰囲気が過労死や自殺等の悲しい人を
つくってしまっているのだと感じました。学校内でもそうですが、大人も多少のことは何
でも言い合える雰囲気をつくることが大事だなと考えるようになりました。
・過労死裁判やブラックバイトの実態を通して、理不尽なことに対応できる力をつけたいと
共感しました。何が理不尽なことへの抵抗で、何がただのわがままなのかの区別も難しい
なと感じました。「ダメなものは、ダメ」という指導も時には、必要であり、その線引き
も考える必要があるのではと感じました。
・発問が授業を支えるキーワードであり、そのための教材として「手紙」というのは新たな
発見でした。また、教師の演じる力も必要であるという点で、授業でも赤面しながらも演
じて生徒たちを引き込んでみたいと思いました。
・税の負担が重くて人民が逃げ、律令制が崩れた=民衆の行動により歴史が変わったという
実例が良かったです。上尾の研究会で学んでいたころから、教材の選び方や授業の流れが
すごいとは思っていましたが、今回の講座で、まとめて話が聞けて良かったです。
・歴史の授業も手紙の授業もまねしてやってみたいです。特に地域のことを考えて発問する
ことで歴史が自分のものとして捉えられることやこの授業をしなければ公民をやっている
意味がないというのが基準になっていることが心に残りました。
・発問のまずさによりその後の授業がグダグダになった経験は数知れず…。斎藤さんが3つ
の種類に一般化され、すっきりとお話してくださったことがとても分かりやすかったです。
しかも一方的な報告ではなく対話型ですすめられたことも、楽しく参加できました。アク
ティブラーニングとか、生徒が主体的に参加する授業と唱えながら、教師自身がそのよう
な経験がほとんど無いのは珍しいことでは無いと思います。それなので大学でも同じよう
に授業をされていると伺い、斎藤さんに担当してもらっている今の学生は幸せだなぁと感
じました。
4.斎藤英樹さんより
私の拙い話を真剣に聞いて頂き、そして多くの質問をして頂いたことをありがたく思いま
す。参加された皆さんの姿勢に、次のことを思い出しました。私が30 代のとき、定年間近の
教師に「先生は、なぜそんなに、いろいろとアイディアが生まれるのですか?」とたずねた
ところ、「学んでいるから」と応えてくれました。そして、私が定年間近のときも、同じよ
うな質問をされ、同じような応えをしました。
日曜日にわざわざ会場へ来て、学ぼうという姿勢が、教師を成長させることになると改めて
思いました。参加された皆さんのこれからの授業づくりに期待しています。
5.5月講座担当実行委員より
今年度最初の授業づくり講座への御参加、ありがとうございました!
生徒が主体的に学ぶための発問の仕方や工夫、歴史を学ぶ意義については、生徒が住でい
る地域との関連性を見いだす題材を用意するなど、授業づくりにおける大切なポイントを教
えていただきました。また、ブラックバイトの授業は、これからの働き方改革を考える上で
非常に重要なテーマだったと思いました。理不尽なことに対しては「NO」を言える生徒を育
てていきたいですね。
特に、印象的だったのが、過労死裁判の遺族の方への手紙のやりとりを通した授業実践で
す。手紙を書くことで、自分の思いや考えを誰かに伝えることや書いた手紙に対する返信(何
らかの反応)があることは、生徒にとって貴重な体験であり、意義深いものになることがわ
かりました。私は、特別支援学校に勤務していますが、ぜひ、授業の中で手紙のやりとりを
通して、社会に自分の思いを発信する取り組みをしていきたいなと感じました。
次回は、7月のフィールドワークです。今回は、学生の参加がなかったので、次回は、
たくさんの学生の方にも来ていただけると嬉しいですね。実行委員の皆様、宣伝のご協力よ
ろしくお願いいたします。