編集長日記(7)「明けまして、おめでとうございます」

By | 2020年1月13日

編集長日記(7)「明けましておめでとうございます!

今年も『歴史地理教育』をよろしくお願い致します」

 〇ご無沙汰です!

昨年11月以来の投稿で、ご無沙汰をしてしまい、申し訳ありません。この間、11月増刊号の2019年の歴教協全国大会の埼玉大会の報告号、12月号の経済分野の特集「100兆円超えの向こうに」を続けて直接担当して刊行し、3月増刊号の「『平成』の30年・ポスト冷戦を問う」の企画と原稿依頼をしていました。年末の授業や校務と重なったのもあり、かなりのオーバーワークになってしまったようです。

〇日韓・日中の交流行事に参加してきました。

それでも、歴教協の会員としては研鑽を積みたく、11月30日に日韓・日中交流委員会主催の朝鮮の三一運動と中国の五四運動についてのシンポ、12月26日から3泊4日で29日までは日中交流委員会の中国の旅の南京旅行での授業交流にそれぞれ参加し、そして一昨日の1月12日に歴教協の中間研究集会で、日韓関係の歴史と現在、そしてオリンピックについての講演や報告を聞いてきました。どれもとても充実した学びの機会となりました。

〇11月30日の日韓・日中のシンポ、盛況でした。

このシンポは『歴史地理教育』の本年の3月号の特集で三一運動、五四運動をまとめて取り上げたことがきっかけとなり、それぞれの運動について日中韓で授業した教員が集まっての授業報告をしました。特集を企画した段階で、この2つの朝鮮・中国の運動は1919年の東アジアで日本に対するそれぞれの民族運動として、一体で考えるべきということが基本的な認識でした。ところが研究者への依頼段階では、これを研究として一体で論述できる研究者はいないと断られ、分けて依頼するしかありませんでした。歴史教育との大きなギャップを感じさせられたところです。

しかし、このことをシンポで質問すると、中国でも韓国でも、2つの運動に関連性を特に意識しておらず、それぞれ個別に韓国では三一運動、中国では五四運動を授業で取り上げているとのことでした。東アジアという視覚が共有されていないことを強く感じました。

〇一昨日の中間研も盛会でした!!

 南京の授業交流については、別に報告したいと思いますので、あとは昨日の日韓関係についての加藤圭木さんの講演について、述べておきます。加藤さんはまだ、30代の気鋭の研究者ですが、却って1から日韓関係についての近現代の歴史について、史料を踏まえて幅広く論じて頂き、改めて日本の植民地支配の不法性、戦後の補償問題の不充分な解決状況を明らかにして頂いて、いろいろ教えられることが多くありました。特に徴用工問題や「慰安婦」問題などは人権問題として考えるべきという論旨は説得あるものと感じ入りました。尚、この講演については、後日『歴史地理教育』に掲載予定です。(若杉温)