第54回歴教協三重大会の雰囲気B
                          雰囲気@  雰囲気A  雰囲気C
「地域からの学びと育つ子どもたち」と題して地域報告する草分京子氏。
見事な合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」。なんと、その時のゾウの背中に乗ったという萩原量吉氏も挨拶。「ゾウの背中の毛がとても硬くてズボンを通してお尻がシカシカと痛かったことを今も忘れることができません。・・・・戦争が終わって、食
べるものがなく、お腹がすいて楽しみもほとんどなかった私たちにとって、名古屋の東山動物園へ行ってゾウを見ることがどんなに楽しかったか、この日の前夜は遅くまで眠れませんでした。戦争は本当に悲惨で残酷だと思います。・・・・東京の上野動物園では、ゾウが毒入りのエサを食べないので餓死させたこと、最後の死の直前にはゾウが『エサをください』と前足をついて芸をして懇願したことなどは、悲しい事実に基づいて『かわいそうなゾウ』と題した絵本などで今も多くの子どもたちの涙をさそって読みつがれています。ところが、この戦争の中で、東山動物園では、当時の北王英一園長らの必死の勇気と努力によってゾウの命が守られ、エルドとマカニーは生き続けたのです。戦後、この生きのびたゾウを見ようと、全国から名古屋に向けて『ぞうれっしゃ』が走りました」との思いはプリントで紹介。1949年当時9歳だった萩原氏も、三重県から名古屋に向けて出かけた一人。
講演は「戦争の歴史に学び、現代の戦争を考える―21世紀の平和をどうつくるか―」と題して明治大学の山田朗氏が行った。山田氏は「なぜ戦争の歴史を学ぶのか? 私たちは、二度と戦争を繰り返さないため、と思いがちだが、多数の軍事・戦争研究は、次の戦争のために、である。平和教育を進める場合、どういう点に目配りする必要があるのか。過去の戦争の実相を伝えることは大事だが、そこから「戦争はひどかった、こんなに悲惨だった」と導き出しただけでは、現在の戦争を否定する力とは十分にはなりえない。「過去の戦争」を否定しても、「未来の戦争」を肯定する場合は十分ある。「現在の戦争」「現在の戦争の準備」をも視野に入れる必要がある。」と話を始めた。次いで、「 「戦争できる」国づくりを考える3つの検証点は、「ハード(兵器)」「システム(法・組織)」「ソフト(人材・価値観)」。今一番進んでいるのは「ハード」。次に「システム」、「戦争をしよう」としている人々にとって遅々として進んでいないのが「ソフト」。それを変えようとしているのが、昨今の有事法制づくりであり、憲法・教育基本法改悪であり、個人情報管理やマスコミ統制のための法整備である」ことを指摘した。(全体要約はこちら)
昨年に引き続き、韓国の「歴史教師の会」の方々も来日。合間には、2003年1月の「第2回日韓歴史教育者交流会」と「共通副教材作り」の計画について話し合いが行われた。
8月2日〜3日にかけては、県立鳥羽高校を会場に分科会討議が行われた。
クーラーのない会場でホッとな議論がなされた。(文責:堀口常任委員)