全国から869名の参加。第69回神奈川/関東大会、成功裡に終了

By | 2017年9月25日
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  以下の報告は、大会の一旦を記述しただけなので、詳しくは、大会増刊号を参照してください。

●今大会は、川崎市にある法政大学第二中高等学校の木月ホール(1300名収容の大ホール)と各校舎で行われました。

●毎年行われる大会での全体会は、「現地実践報告」が1つの売りになっています
  今年は、『君たちには話そうー甦る登戸研究所~足元を掘れ、そこに泉わく~』と題して報告されました。
  神奈川県川崎市の明治大学生田キャンパスにあった旧陸軍「登戸研究所」を、当時の法政大学第二高等学校の生徒たちが、歴史教育者協議会の会員であった社会科教師の指導によって掘り起し、その後は、市民たちがその保存運動に取り組み、今は、「明治大学平和教育登戸研究所資料館」という立派な施設になっています。その全経過を、取り組んだ本人をも交えての朗読劇で表現した報告でした。
  「高校生の実践報告が印象に残りました。地域の身近なところから疑問をもち、地域の方とつながりながら学びを深められていることがとてもすばらしいと思いました。」(京都府30代女性)を始め、多くの感想が寄せられました。
  また毎年、様々な方をお呼びしての講演も楽しみの1つです。今大会の講演は、テレビで活躍されている金平茂紀さんから「あるテレビ記者が見た日本の今・媒体・教育」と題してのお話しでした。この講演にも多くのコメントが寄せられましたが、その中から1つ紹介します。「経験豊富な金平さんの話は、一瞬もゆるむことなく話が続き、楽しくも緊張感をもって聞くことができた。今という時代と状況を切り取る姿勢がすばらしいと感じた。授業も同じではないかと昔の記憶と重なった。素晴らしいプレゼントだった。」(千葉県60代)

●各分科会での、充実した実践が報告
  各分科会は、8月5日、6日の2日間を掛けて、木月ホールから隣接している法政大学
第二中高等学校舎で行われ、多くの充実した報告が行われました。
  今大会では、学生スタッフの方々の分科会参加を位置づけ、その学びも重視して取り組まれました。参加した若手・学生スタッフの方々の感想をいくつか紹介します。
・第4(世界)、第5(憲法と現代の社会)に参加しました。
 憲法制定70年というところで、今一度憲法が受け入れられた喜びに触れ、それを理解した上で改憲論議を展開する必要を感じました。
・高校分科会
 様々な授業実践を学びましたが、実践以前に社会科とは何かを考える良い機会になりました。「社会科を自分のモノにできないと意味がない」とある先生の発言を聞いて、私は社会科とは人間一人一人が自分らしく、よりよい人生を送るための教科だと思いました。社会科だけに限った話ではないですが、生徒にとって人生のツールとなるような発見と出会わせることが教員にとって大切なことだと感じました。
・前近代分科会
 私自身、前近代(日本中世史)を勉強しており、直接の動機もそこにあったわけですが、正直なところ、ここまでたくさんの多様で深い学びの授業実践があるとは予想のはるか上でした。地域資料の活用、文献資料やモノ資料を通した生徒への問いかけ、歴史的事実を我がこととして捉えられるような仕掛けづくり、などなど、どのご報告からも、教育現場での、試行錯誤の一端を教えていただきました。
・高校分科会B
 深い学びのためには、形としてデスカッションや、グループワークをやることが大事なのではなく、その活動に見合った少し難しい課題をこちらで設定することが最も重要なのだと、改めて実感しました。

●地域に学ぶ集いは、407名が参加
 この「地域に学ぶ集い」も、その時々の大会開催地にまつわる様々な歴史的内容や現在の問題点などが学べるものとして開催されてきました。今大会では、8月5日(土)分科会終了後に、地域に学ぶ集いが本部企画3講座を含め13講座が行われ、「学べて良かった」等々の感想が寄せられました。その1部を紹介します。
・小田原城と城下町
「私は小田原城に行ったことがなく、今回の講座は興味深く聞くことができた。特に遺跡から様々なことが分かるのは面白いと思った。機会があれば小田原城に行ってみたい。」(東京都・男性・20代)
・19世紀半ばの横浜
「日本の裏の歴史だと思います。大変有意義な講義でした。ありがとうございました。世話人の方々、お疲れ様でした。」(神奈川県・女性・20代)
「なかなか教科書には載らない歴史ですが、近世から近代にかけての社会システムを考える上で、無視できない大切な視点を提示していると思った。」(埼玉県・男性・50代)
・横浜中華街の歴史と華僑の歩み
「ずっと疑問だった山手中華学園と中華学院との違いが分かってよかったです。もっともっとお話聞きたかったです。ありがとうございました。」(神奈川県・女性・10代)
「興味深く拝聴できました。横浜中華街が、華僑と日本人が作ってきたという話が、印象深かったです。初めて中華街についての話を聞くことができました。時おり訪れる中華街が、より身近に思いました。」(東京都・男性・50代)
・安保と米軍基地問題―横須賀・厚木・米軍機墜落
「横須賀の街について、また自衛隊や米軍について、ニュースではなかなか流れない情報を知ることができ、学ぶことが多かった。平和運動を続ける鈴木さんの姿にも感銘を受けました。」(京都府・女性・30代)
・貧困と格差への取り組み
「自分が病気をして休職した時に、このままずっと復職できなかったらどうなるんだろうとずっと不安だった。普通の人が病気や親の介護、リストラなどで離職するとあっというまに坂から転げ落ちるように困窮する。だから自分も薬を大量に飲みながらやっと復職した。歴教協にいらっしゃる先生方のようないい授業をする体力もない。だけどこの困窮者の気持ちはよくわかる。こんな教師でいいのかと思うが、生活するため、お金の為にはどんなに苦しくても働かなければならない。定年を65歳にするとか、年金を70歳にするとか絶対反対である。こんな日本は間違っていると思う。」(埼玉県・女性・50代)
・子どもたちの今―川崎中1死亡事件を考える
「私は現役を離れ、地域で活動していますので、地域の子どもたちとどう向き合うべきか参考になりました。私は教員としては無力で、生徒の困難を知りつつ、できたことは彼らの話を聞いてあげることだけでした。親も大変な状況にあり、10代の子がこんな重荷を背負わなければならないのか、と呆然とするばかりでした。地域の中で子どもにどう寄りそっていけばいいのかと悩んでいます。」(神奈川県・女性)
・ヘイトスピーチ 出合い直しませんか?
「正義とは一体何なのかと考えさせられました。警察は市民を守るものなのでは…。ヘイトスピーチをするのも確かに市民ですが、これは人権侵害であり、言論の自由は通らないと思います。このような状況なのに、仲間がいることが素晴らしいと思いました。やはり、学校や地域で根強い人権教育がなされているのだと感じました。「規制でできないのは根絶ではない」「先生がおくすることなくヘイトスピーチ反対を訴える」という言葉が心に残りました。その通りだと思います。共に闘いたいと思いました。」(京都府・女性・30代)
・授業が面白くなる地域資料の使い方
「地域史の教材研究に力を入れたいと思いました。葛飾・荒川区あたりで勤務しておりますので、幅広い視点で教材を見つけるために、街を歩いてみます。本日はありがとうございました。」(埼玉県・男性・20代)
「社会科を学ぶ上で、地域資料の重要性について学ぶことができた。また、歴史を教える上で教員自身が資料室や博物館を利用して、授業を構成することも大切だと思った。」(神奈川県・男性・20代)
・関東大震災下の中国人虐殺
「知って勉強しなくてはいけない歴史があることに気づかせてくれる“集い”でした。人間が一歩まちがうと集団で何するかわからないことを知性と理性でのりこえていかないと…と思います。」(福岡県・男性・50代)
「何故朝鮮人とともに中国人がたくさん殺されたのか、少しだけわかったような気がします。これから自分でも調べてみたいと思います。」(千葉県・男性・60代)
・東京湾臨海部の開発を考えるーオリンピック施設や豊洲市場問題の背景
「まだまだ勉強不足であったが、そのような私でも、難なく聴けるお話だった。東京都のことだからと言って、無関心な自分で終わらず、これからも学び続け、ニュースを追い情報を仕入れ、自分自身の意見を持ち続けたいと思う。」(福岡県・男性・20代)
「臨海部は社会科見学でよく使うが、その目的や歴史は理解していなかった。不透明な部分が多く、メスを入れなければならないところに入れない現状が腹立たしい。その中で納得いかぬままオリパラ教育をやらなければならないことに不満を感じる。」(東京都・男性・50代)
・教科書問題―育鵬社版教科書と「道徳」教科書を考える
「これだけ明らかに問題のある記述がされている育鵬社の教科書。だれが見ても課題は明確なのに、全国的な報道として取り上げられていないことが恐ろしいと思った。本当に子どもたちのことを思えば、明らかな偏りのある教科書は選ばないのではと感じた。今回、歴教協の全国大会に来たからこそ、学ぶことができたが、一般の教員はほとんどこのような現状を知らないのではないかと考えると、私たち現場の教員がしっかりと学習し、正しい知識をつけていかなければと思う。」(福岡県・男性・20代)
・日中授業交流―授業に生きる力をみなぎらせる金陵中学における歴史研究の概況
「中国の歴史教育が体系的に理解できた。」(東京都・男性・30代)
「中国の歴史教育の概況を知る機会を得て、とても嬉しかったです。惜しむらくは若い人が殆どいない?ですね。(女子学生がひとりいらっしゃったのは本当によかったです)歴教協の若い先生にもきいてほしかったと思います。それを啓発するのは我々のやくわりかな。非常感謝老師的訪問日本、参加歴史教育者協議会第69届全国大会(神奈川大会)。清老師的明年也来日本参加第70届全国大会(京都大会)老師的一路平安~!」(京都府・女性・30代)

●閉会集会でも「現地中・高・大」の実践報告と京都へのバトンタッチ
  今回の閉会集会は、神奈川実行委員会の希望もあり、中学校・高校・大学での地域の掘
り起し実践報告に、最後まで学ぶことができました。
  恒例の引き継ぎでは、神奈川大会実行委員会から京都大会実行委員会への「鳩サブレと大会資料」などが手渡されました。
 このホームページ「大会報告」をご覧になった方々が、ぜひ来年の京都大会にお出で頂くことを祈念しています。