初めてのオンラインでも大成功に終わった中間研究集会!!

By | 2021年1月18日

 1月10日(日)に「コロナ禍であらためて民主主義の課題を考える」というテーマで、第39
回中間研究集会を実施しました。初めてのオンライン集会(zoom)となりましたが、約100名
の参加があり、大成功に終わりました。

 内容は、上記テーマでの中野晃一氏(上智大学)の講演と、「コロナ禍が学校、教育にもた
らしたこと」というテーマで、小・中・高と愛知/東海大会開催県の現場の状況と実践につい
て、4人の方から報告をしてもらい、意見交流を行いました。
 
 中野氏の講演では、「『まつりごと』は奉仕・服従を意味する概念だが、『多様性』を強調
する学者もいる。そしてまさに現在は『新自由主義』化と反自由主義化の時代であり、『分断』
と『憎悪』に根差しており、それがコロナ禍で増幅されている。今年は、安倍政権から始まっ
た『2012年体制』の確立か、民主主義の復活かの岐路の年である」との指摘がありました。
 
 意見交流では、まず桜井事務局長から「一斉休校の後、遅れを取り戻すための一層の詰め込
み、楽しい行事の削減、給食を黙ってたべるなどが行われた結果、『学校が楽しくない」『先
生はいつも怒っている」という子どもの声となっている。その中で、頑張る子ども達と教職員
の力で、色々な工夫がなされ、少人数学級の素晴らしさも確認できた」という問題提起がなさ
れました。
 それを受けて、
①茨城の小学校の石上さんからは、「学校再開後、グループやペアでの活動の再開、運動会の
 午前中実施、バス遠足の実施など、徐々に楽しい学校生活を取り戻しつつある。しかしPCR
 検査を教員が実施たり、保健所が手一杯の状態であり、児童相談所の職員も不足して児童虐
 待の増加」などの心配も指摘されました。
②東京の中学校の大谷さんからは、「生徒会役員が『行事ができないからその代わりに』と、
 昼休みにもできる活動として、学級対抗クイズ大会やドッジボール大会を企画し、成功する
 中で、やる気が高まっていった。参加した生徒達も『生徒会のイベントは楽しそう』と感じ
 るようになってきた」という実践が紹介されました。
③埼玉の高校の川島さんからは、「実施できなくなった文化祭の代わりに『校内芸術祭』を企
 画し、生徒が、映画、短歌動画、黒板チョークアート、川柳という4つの部門に分かれて活
 動し、友達とのコミュニケーションを図りながら、地域社会にも発信して評価を受けた。そ
 して今、求められているのは多様性とアート思考ではないか」という問題提起がありました。
④愛知/東海大会開催県の静岡の小学校の安達さんからは、「手作りのパネルを使って、一斉
 休校で失われたものも大きかったが、子どもや教職員の努力で取り戻せた部分もあった。し
 かし長く家庭で過ごさざるを得なかった子ども達のストレスも大きかった事」が報告され、
 「昨年できなかった大会を今年こそ実現するので、ぜひ参加してほしい」という熱い思いが
 披露されました。
 
 そして実施後には「中野氏の鋭い視点と分析から、広い視野で今の世界と日本を見つめる事
ができました。」「実践報告は、どれもコロナ禍の不安なかで、生き生きした学校生活が映し
出され、感銘を受けました」など、沢山の感想が寄せられ、充実した研究集会になったことが
うかがわれました。
 また、初めてのオンライン実施については「やはり質疑応答をしてほしかった」「zoomのホ
ストと司会は分けた方が良い」などのご意見もいただいたので、3月の世話人会や夏の大会に、
生かしていきたいと思います。
 ご参加いただいた皆様、参加はできなかったけれど宣伝をしてくださった皆様、本当にあり
がとうございました。