投稿者「rekkyo_admin」のアーカイブ

〔本文で言及した文献〕 引用順

加藤祐三『黒船前後の世界』(一九八五年)
三谷博『ペリー来航』(二〇〇三年)
岩下哲典「日米和親条約の締結前後における領事駐在権をめぐって」『応用言語学研究』七(二〇〇五年)
陶徳民『松陰とペリー』(二〇二〇年)
今津浩一『ペリー提督と開国条約』(二〇一一年)
清水康行『黒船来航』(二〇一三年)
清水康行「『日米和親条約』諸言語版の本文をめぐって」『国文目白』 五六(二〇一七年)
荒野泰典「幕末維新期日米条約の原本調査:米国々立文書館での調査とその成果」『史苑』七三(二〇一二年)
石井孝『日本開国史』(一九七二年)
羽賀祥二「和親条約期の幕府外交について」『歴史学研究』四八二(一九八〇年)。後『幕末維新論集 2 開国』(二〇〇一年)に再録。
西澤美穂子『和親条約と日蘭関係』(二〇一三年)
麓慎一『開国と条約締結』(二〇一四年)
横山伊徳「米国国立公文書館所蔵万延元年遣米使節関係文書について」『国立歴史民俗博物館研究報告』二二八(二〇二一年)
Hunter Miller ed., Treaties and other International Acts of the United States of America, vol.6, 1852-1855, United States Government Printing Office, 1942
横山伊徳「先生 教えて 南北戦争と幕府の対応」『歴史地理教育』五九四(一九九九年)
横山伊徳『開国前夜の世界』(二〇一三年)
安達裕之『異様の船』(一九九五年)
大沼保昭『国際法』(二〇一八年)

〔本文で言及した文献〕 引用順

加藤祐三『黒船前後の世界』(一九八五年)
三谷博『ペリー来航』(二〇〇三年)
岩下哲典「日米和親条約の締結前後における領事駐在権をめぐって」『応用言語学研究』七(二〇〇五年)
陶徳民『松陰とペリー』(二〇二〇年)
今津浩一『ペリー提督と開国条約』(二〇一一年)
清水康行『黒船来航』(二〇一三年)
清水康行「『日米和親条約』諸言語版の本文をめぐって」『国文目白』 五六(二〇一七年)
荒野泰典「幕末維新期日米条約の原本調査:米国々立文書館での調査とその成果」『史苑』七三(二〇一二年)
石井孝『日本開国史』(一九七二年)
羽賀祥二「和親条約期の幕府外交について」『歴史学研究』四八二(一九八〇年)。後『幕末維新論集 2 開国』(二〇〇一年)に再録。
西澤美穂子『和親条約と日蘭関係』(二〇一三年)
麓慎一『開国と条約締結』(二〇一四年)
横山伊徳「米国国立公文書館所蔵万延元年遣米使節関係文書について」『国立歴史民俗博物館研究報告』二二八(二〇二一年)
Hunter Miller ed., Treaties and other International Acts of the United States of America, vol.6, 1852-1855, United States Government Printing Office, 1943
横山伊徳「先生 教えて 南北戦争と幕府の対応」『歴史地理教育』五九四(一九九九年)
横山伊徳『開国前夜の世界』(二〇一三年)
安達裕之『異様の船』(一九九五年)
大沼保昭『国際法』(二〇一八年)
シェイス『オランダ日本開国論』(原著一八六七年、小暮実徳訳二〇〇四年)

国際法違反のロシアのウクライナ侵攻に抗議し、即時撤退を求めます(声明)

 私たちは、ロシア・プーチン政権が2月24日に開始したウクライナ共和国への軍
事侵攻に対し抗議し、即時撤退を求めます。
 
 プーチン大統領は、ウクライナ侵攻はウクライナ東部地域の「要請」を受けての軍
事行動と主張しています。しかし、一方的に「独立」を認めた地域・集団との「集団
的自衛権」は国際法上全く根拠がありません。ウクライナ各地の軍事施設、キエフな
ど複数都市への攻撃は、ウクライナの主権と領土を侵し、国連憲章、国際法を踏みに
じる侵略行為です。さらにプーチン大統領が核使用に言及したことは、全人類への挑
戦であり、国連で採択された核兵器禁止条約に対する威嚇でもあります。3月4日に
ウクライナ国内原子力発電所を攻撃したことは断じて許されません。
いま、「ウクライナ侵攻反対」「戦争ノー」の声は、日本、世界に広がっています。
政権を批判することが厳しいロシア国内でも、40以上の都市で反戦運動が起きてい
ます。ロシアの科学者と科学ジャーナリストが、ウクライナ侵攻に「断固として反対
を表明する」とした公開書簡を発表しました。
 軍事力をもって紛争の解決を図ることは、かつての日本のように国際的に孤立の道
を歩み、破綻することは歴史が証明しています。ロシアにとっても、このまま侵略国
家としての道を押し進めるより、国内で湧き起こっている反戦の声でプーチン政権に
よる軍事侵攻を押し留め、武力ではない対話による歩み寄りをめざすことが望ましい
ことはあきらかです。
 歴史教育・社会科教育に関わる者として、そして、唯一の戦争被爆国であり、戦争
放棄の憲法を持つ国に生きる者として、私たちは平和を求める人々と連帯し「戦争を
やめよ」の声を上げ続けます。

                                                                                                                   2022年3月10日
                                                                          一般社団法人歴史教育者協議会 常任委員会

2022年3月増刊号「『歴史総合』『地理総合』『公共』の授業をつくる」の読みどころ

 いよいよ4月から全国の高等学校で、新しい必履修科目「歴史総合」「地理総合」
「公共」の授業がスタートします。今までの「世界史A・B」「日本史A・B」は
「歴史総合」に、「現代社会」は「公共」という新設科目に変わります。「地理総
合」は、約半世紀ぶりの地理の必修となります。これから高校「社会科」はどこに
向かうのでしょうか?
 本特集では、各科目の趣旨と特徴を、中学校社会科やこれらの必修3科目のあと
に選択する「探究科目」などとの関係から明らかにしています。そのうえで具体的
な授業づくりの構想を提示し、高校「社会科」の未来を切り拓きたいと思います。

社会科授業づくり講座報告 1月20日(日)

発表者:津田 隆広(特別支援学校教諭)
テーマ:「小学校採用の私が特別支援学校で学んだこと」

*参加者 20名(学生6名、小学校2名、中学校4名、高校2名、特別支援6名)
<参加者の感想>
〇今回の講座を受けて、小学校の教員になる上で私にも身近な話であり、とても学びのあるものでありました。
障がいの有無に関わらず誰もが安心して自由に生活することができるように環境を整備することが大切であ
ると考えます。また、自分では手が負えないからといって障がいのある児童と正面から向き合わないのでは
なく、しっかりコミュニケーションをとって心身ともに安心できるように、心と心の距離を近づけていくこ
とが大切ではないでしょうか。とても学びのある講座をありがとうございました。   

〇特別支援教育について、介護等体験や講義で知識を学ぶことはありますが実際に働いていらっしゃる方のお
話を聞く機会はなかなかないため、様々な学びを得ることが出来ました。特に構造化やアセスメントのお話
について、生徒さんの様子や保護者の方のニーズに応えるために津田さんが尽力されているということが伝
わり、自分も津田さんの様に生徒と全力で向き合えるような教員になりたいと強く感じました。また、構造
化のお話の中で「具体的にわかりやすい表現を用いて伝える」ことの大切さを教えて頂きました。日常生活
や教職に就いた際の人との関わりにおいてもこの伝え方は円滑なコミュニケーションのために必要なことだ
と感じると同時に、わかりやすく伝えることは相手への思いやり・リスペクトの気持ちだと考えました。

〇素敵なお話をありがとうございました。私用のため最後までお話を聞くことが出来ず申し訳ありません。ま
た、質問にも丁寧に回答していただきありがとうございました。
今回津田さんのお話を聞いて学んだことが2つあります。
1つは発達障害の方が感じている世界についてです。私たちはつい、障害のある方が自分たちとは別の世界
で、別の考え方・合理性で生活していると考えがちです。しかし、Tくんについてのお話を聞いていると、T
くんの中にも私たちと同じ考え方・合理性があって、それが何らかの障壁のために違って見えているだけな
のだろうということが感じられました。だからこそ、具体的な作業指示を出すことで健常者と同じ水準で労
働することが出来るのでしょう。

〇特別支援学級の情報や特別支援教育に関する知識は、最低限知らなければならないことを強く感じた。特に、
津田先生が述べていた「注意が通じない難しさ」は、小学校の教育実習で痛いほど思い知らされた経験があ
る。特別支援学級(情クラス)の授業を見学したとき、ある児童が図工の作業中にボンドが思い通りにくっ
つかないことに苛立っていた。すると、持っていたけん玉を担任に投げつけ、パーティションを倒して暴れ
始めた。言葉で注意しても聞かないので、担任がその児童の体全体を押さえつけ、その間に私が教頭を呼ん
だ。やってきた教頭が別室でクールダウンさせたところ、落ち着きを取り戻し、作業を再開した。この経験
から、今まで特別支援を要する子どもに目を向けていなかったことに気付かされ、めねぎ農園の鈴木さんの
ように「ガーン!」となった。困り感を持った子どもにしか行えない限界性にどうしようもなさを感じると
ともに、今の学校教育の課題を見いだせるのではないかと考えた。

〇これまで特別支援学校については大学授業「特別支援教育」で少し学んだだけでした。そこで、今回の社会
科授業づくり講座では津田先生の教育実践を含めて「特別支援教育」について深めることができました。ま
さに津田先生がおっしゃる通り「全ての子どもたちに使える視点、環境づくりと実態把握」を今回の社会科
授業づくり講座では勉強させていただきました。私自身、教員1年目でありますが、「結局、教育とは何を
 目指しているのか」という大きな問いについて、別の視点から考える良い機会となりました。ありがとうご
 ざいました。

〇今回の講座の内容はとても参考になりました。
 多くの子どもがいる中で、正直なところ個別の対応までなかなか手が回らないことも多いのですが、工夫次
 第で確実に成果を出していく特別支援学校の取り組みに触れ、自分もできるところから、また始めてみたい
 と思いました。

〇最初の自己紹介から引き込まれました。津田さんとは長いおつきあいになりますが石井建夫さんから評価さ
 れたことから教職を目指したと初めて知り、いつも優しくひとりひとりを見守っておられた石井さんの大き
 さを改めて思いました。発達障がいについての説明もよく分かりました。さっそく石戸谷さんが貸して下さ
 った『リエゾン』を読み、さらに考えています。「社会の中で働く」ことを実現するための特支の教員の苦
 労も察しました。私は20代後半に、新聞委員会の顧問をしていて「養護学校」と自校の生徒会の交流や地元
 の共同作業所に取材に行き、ました。共同作業所は地元ということもあって、バザーなどを手伝わせて頂き
 ました。賃金が少なく、それでもここに来るまでは、テレビを見ているだけで、片方の手が動くことも解ら
 なかったという方がゆっくりゆっくりと洗濯ばさみを揃えている姿に感銘しました。その方は、その作業を
 通じて社会とつながっているのだと知りました。

〇私は中高社会科の教員になることを考えているため、直接的に特別支援教育に関わることは少ないかもしれ
 ません。ただ通常学級のなかにもグレーゾーンの子がいるため、特別支援について知っておくことは必要だ
 と思い、今回の講座に参加しました。印象に残ったのは支援の方法についてです。靴を正しく履くための方
 法についてでしたが、ただ履かせるだけではなく、支援とその実際の年齢があっているかを考えるとのこと
 でした。私の考えにはなかったことで、発達に遅れがあるなどしても1人の人間として尊敬をもって接する
 とはこういうことだと実感しました。

〇改めて特別支援教育についての最新の知識や進路の話などを振り返ったり、津田さん自身の話から学校現場
 のことを知ったりと興味深い話がたくさん聴けた講座でした。
 私は、肢体不自由の小学部、知的障害の高等部の児童生徒と学校介護職員、教員として一緒に過ごしてきま
 したが、知的障害の小学部での教育について知らないことがたくさんあったことに驚きました。小学部では
 やんちゃな児童も中学部や高等部に上がる頃には落ち着いて過ごせるなど、今の高等部の生徒の成長は本人
 の努力ももちろんありますが、教員の分かりやすい指導や教育があってこそだと思いました。津田さんの熱
 い気持ちが伝わってくる講座でした。明日から学校で役立つ話も聞けたので、生かしていきたいと思います。
 ありがとうございました。

〇最新の知的障害特別支援学校の状況がわかる話をありがとうございました。
 私は数年前、長年勤めた肢体不自由特別支援学校退職し、今は非常勤講師をしています。肢体不自由特別支援
 学校と知的障害特別支援学校の教育環境、カリキュラムはかなり違っていることは勿論承知しているのですが、
 その実状はよく知りません。それが、今日の報告で特に教育環境の最新の状況が分かりました。よく分かりま
 した。ありがとうございました。津田さんも「さつまいも」学習報告の後も同様な授業づくりを模索されてい
 ると思います。また機会があればそういう報告をしてください。

〇特別支援学校の様子であったり、児童生徒の実態や支援・指導方法を聞いたことで、4月から特別支援学校の
 教員として働く見通しをもつことが出来ました。

〇津田さんの話で学んだのは、以前「注意欠陥多動性障害」等と普通に言ってきましたが、今は「害」をとる
 という話。今、研究が進み、随分と「共生社会の実現」に近づいている部分があると同時に、コロナ下での
 差別や蔑視、能力主義や分断が進んでいると思います。今後も若くてパトスのある皆さんがいろいろ発信し
 てくれることを望みます。

〇司会:宮下(実行委員)
1月講座も、学生の方をはじめや幅広い校種の先生方にご参加いただき、大変有意義なものとなりました。
発表者の津田さんとは、大学の同級生でもあり、同じ特別支援学校の教諭として切磋琢磨しあう仲なので、
今回の講座を私自身が一番楽しみにしていました。津田さんの話を聞いていて、「そうそう、そうなんだよ
ね。わかるな~」「なるほど」など現場で働いている人間だからこそ共感できる部分がたくさんありまし
た。特に「めねぎ農園のが・が・がーん」の本の話にあるように、障害のある方や特別支援教育への理解と
支援の考え方が社会にもっともっと浸透してくれるとよいなと思いました。
また、これまで特別支援学校で培った経験について堂々と語る津田さんの姿に、改めて自分ももっと成長し
なければならないと感じました。誰もが、「わかる・できる授業づくり」を目指すことは、どの校種の授業
づくりにおいても大切なことだと思います。ぜひ、今回の講座で得たことを、参加者の皆様がそれぞれのフ
ィールドで生かしていただけたら幸いです。新型コロナウイルスの影響下の中、先の見えない時代ですが、
そんな中でも、当講座にご参加いただいた皆様ありがとうございました。
次年度の授業づくり講座もよろしくお願いいたします。

〇発表者:津田隆広さんより
皆さん、先日は講座にご参加いただき本当にありがとうございました。
授業づくりの顧問の先生方からも「話が長かった」とのお言葉をいただきましたが、時間を超過してしまっ
たことは非常に反省すべきことです。臨時的任用をしていた時、私が中学生の頃、担任をしてくださった恩
師と一緒に働く機会があり、常々恩師に指導されていたことが、「どんな良い授業も時間を守らなければ0点」
ということ。個人的には今回の発表は時間を超過した時点で残念ながら0点です。ただ、今回参加してくださ
った20人の方々が3時間以上の時間を、私の話を聞くことに使っていただいたので、それに見合う内容を準備
しようと努力はできたのかなと思います。
感想文もすべて読ませていただきました。どの感想にも私が皆さんにお伝えしたかったことが少しでも伝わっ
たことが読み取れ、準備してきて良かったと嬉しくなりました。そんな中でも特別支援教育の世界で子どもた
ちを見てこられた、山下洋児様、竹下忠彦様お二人の先輩方の感想には自分の至らない点、勉強不足な部分を
伝えていただき、身が引き締まる思いでした。山下様からご意見いただいた「精神薄弱」の部分ですが、完全
な自分の勉強不足です。教えていただきありがとうございました。特別支援教育とひとまとめになってはいま
すが、特別支援学校の教員であっても知的から肢体不自由校に行くだけでも違う知識が必要になりますし、他
にも病弱・視覚・聴覚とそれぞれの専門性が求められます。この5種をどのように紹介するかで悩み使用した
言葉でしたが、間違って使用していました。また、特別支援学校での社会科の実践を聞けず残念だった様子が
読み取れました。現状埼玉県の知的の特別支援学校で、時間割に社会科・理科の時間が明確に確保されている
学校は少なく、課題学習も国語や数学が主な学習として取り組まれているようです。現在、勤めている毛呂山
特別支援学校は高等部の時間割に社会科・理科がある学校なのですが、今年度はまだまだ実践が思い通りにな
らず、紹介できるものになりませんでした。高等部で仕事が続けられそうでしたら次回は実践の報告ができれ
ばと思います。すみませんでした。
 次に竹下忠彦様からいただいたご質問ですが、あれはあくまで私が担任したTさんの障害がASDだったのでASDの
コミュニケーションにおける困難さの紹介から発達障害を理解する手掛かりを掴んでいただきたいという形で
説明させていただきました。講座の参加者メンバーが主に通常学級の先生方なので、発達障害について事細か
にすべて紹介することは時間的にも厳しく、また、私が意図することではなかったので、発達障害の詳細につ
いてお知りになりたい方は本やネットで調べていただきたいとご紹介させていただきました。説明が不足して
いて申し訳ありません。
今回の発表はいつもの社会科の実践発表とは違い、皆さんに予備知識や補足で分かりやすく説明する必要があ
るので、その時間をどのように最小限で分かりやすくまとめることができるかも今後の課題であると感じまし
た。逆に質問を参加者の方から募集して、それに答える形で準備をしてくるなんて発表もありですかね。当日
はあまりに疲れて講座後、昼食もほとんど食べず、すぐに寝てしまうくらいヘトヘトになってしまいましたが、
あれを当たり前のようにされる先輩方はすごいなと思いました。
夏休み頃から「発表を頑張りたい!」「3時間も引き受けてしまうなんて…」とプラスとマイナスの気持ちが入
り混じる中で準備をしてきましたが、自信がない部分は再度、書籍を読んだり、他の方の研修内容、知識豊富な
同期に内容を確認したりして勉強しなおしたので、本当に自分自身を見つめなおす良い機会となりました。至ら
ない点も多くあったとは思いますが、今後も講座に来てくださった方々に負けぬよう、私も一歩一歩、実践を積
み重ねていければと思います。今後も社会科授業づくり講座をよろしくお願いいたします。

産経新聞と日本維新の会及び文科省による教育実践への政治介入に抗議する(声明)

   『産経新聞』(2022年1月30日付)は、日本教職員組合の教研集会社会科教育分科会で報
告された新潟県の小学校6年の実践レポートについて、教材としての五日市憲法の評価に
も触れつつ「大日本帝国憲法(明治憲法)の制定過程に関して事実を歪曲」、「教員が一
方的な解釈を示したことで、正しい歴史理解が図れなかった」などとし、他のレポートに
ついても実践内容には一切触れずに「絶対に憲法を変えてはいけない」「戦争をしないで
憲法を守る」との子どもの感想とみられる文章だけを取り上げ、「現行憲法に対する“護
憲”思想を浸透させようとする教員の政治的意図が見え隠れする」とした記事を掲載した。
 この報道を受けて、2022年2月2日、日本維新の会の山本剛正議員が衆議院予算委員会で
質問を行い、「総理は〔中略〕憲法改正の実現を目指しているが、間違った教育が(によっ
て)、憲法を国民の手に取り戻すことができない」のではないか、調査すべきだと岸田首相
にせまり、「文科省においても新潟県教育委員会を通じて確認している」との答弁を引き
出している。
 教職員組合の教研集会や民間教育研究団体の集会で報告された教育実践を、マスコミ等
が報道すること自体は否定するものではないが、実践の意義や課題についてはそれぞれの
集会の中で議論されるべきものであり、社会的な影響力が大きいマスコミ等は研究集会の
自主性を尊重し、教育研究の自由を保障する立場で報道すべきだと考える。
 ところが、今回の「産経」報道は、実践の内容に踏み込んで論評し、「護憲」・「改憲」
という側面だけを切り取って評価し、批判するというきわめて恣意的かつ政治的なもので
ある。
 さらに山本議員の質問は、このような「産経」報道を利用した教育実践に対する政治介
入であり、教育基本法の禁ずる教育への「不当な支配」そのものである。しかも、憲法尊
重擁護の義務のある国会議員が憲法改正という目的のために行っており、二重の意味で違
法行為である。
 また、質問を受けて、当該教育委員会を通じて実践について「確認」した文科省の行為
は不法な政治介入である。
 今回の恣意的、政治的な「産経」報道と日本維新の会山本議員の国会質問、並びに文科
省の対応は、憲法に関わる教育活動を委縮させ、社会科教育の自由を抑圧するものであり、
看過することはできない。
 以上のことから、歴史教育、社会科教育に関わる民間教育研究団体である私たち歴史教
育者協議会は、『産経新聞』の報道、これを利用した日本維新の会山本議員、及び文科省
に強く抗議するものである。

                           2022年2月27日
                           歴史教育者協議会常任委員会

 

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